ファビオ・ルイージ&ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団が11月に来日!

 ベルリン・フィル、ウィーン・フィルとならんで「世界三大」との呼び声も高いオーケストラ、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団。今年、4年ぶりの来日ツアーを行う。マエストロは昨年9月にN響の首席指揮者に就任して以来、日本のクラシック界で確固たる存在感を放つファビオ・ルイージ。ドレスデン国立歌劇場やMET、ウィーン響など有数の名門のシェフを務めて磨きあげられたタクト捌きで、名曲たちを仕上げてくれるだろう。

ファビオ・ルイージ (C)Morten Abrahamsen

 プログラムはA・Bの2種類。プログラムAでは、押しも押されもせぬピアノ界の巨匠、イェフィム・ブロンフマンがソリストとして登場する。演奏するのはリストのピアノ協奏曲第2番。「ピアノの魔術師」の面目躍如たる、卓越した書法のピアノ・ソロと、表情豊かな管弦楽が見事に調和した傑作だ。フライシャーやゼルキンら20世紀を代表するピアニストの薫陶を受けた名手と、世界最高峰のオケが、ステージ上でこの上なく愉しい音の対話を繰り広げてくれるはず。

イェフィム・ブロンフマン (C)Dario Acosta

 メインはチャイコフスキーの交響曲第5番。この作曲家ならではの抒情的なメロディーはもちろん、第1楽章の冒頭、陰鬱な雰囲気のなか奏でられた主題が、終楽章で力強く長調で再現される「暗から明へ」の妙々たる構築が魅力。《オベロン》は、ドイツ・オペラを確立したウェーバーが最後に残したオペラ作品。その序曲では、『真夏の夜の夢』と『テンペスト』を下敷きにしたファンタジックなストーリー、舞台となる妖精の国の不思議な雰囲気が約9分間の小宇宙の中にまとめられている。2曲とも、コンセルトヘボウ管の美しいサウンドと緻密なアンサンブルを堪能するのにうってつけといえる。

ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 (C)Simon Van Boxtel

 プログラムBはビゼーの交響曲第1番とドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」。大作曲家の作品という共通項を持ちながら、前者は若かりし頃の秘曲、後者は円熟期に書かれた超有名曲というコントラストが面白い。明晰な解釈に定評のあるルイージのこと、それぞれの作品の美質を鮮やかに描き出してくれるだろう。

文:編集部

Information】
ファビオ・ルイージ指揮
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
2023年11月来日ツアー

出演
ファビオ・ルイージ(指揮)
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
イェフィム・ブロンフマン(ピアノ 11/4、11/5、11/7)

曲目
[プログラムA:11/4、11/5、11/7]
ウェーバー:オペラ《オベロン》序曲
リスト:ピアノ協奏曲第2番 イ長調
チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調 op.64
[プログラムB:11/3、11/9]
ビゼー:交響曲第1番
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」

2023.11/3(金・祝)17:00 ミューザ川崎シンフォニーホール
問:ミューザ川崎シンフォニーホール044-520-0200

11/4(土)14:00 愛知県芸術劇場 コンサートホール
問:中京テレビクリエイション052-588-4477

11/5(日)15:00 京都コンサートホール
11/7(火)19:00 サントリーホール
問:カジモト・イープラス050-3185-6728

11/9(木)19:00 文京シビックホール
問:シビックチケット03-5803-1111

https://www.kajimotomusic.com/concerts/2023-royal-concertgebouworkest/

※各公演の詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。


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