高原で聴く円熟のチェロの響き
1986年にチャイコフスキー国際コンクールを制し、精力的なリサイタル活動の一方、アバドやゲルギエフといった名匠からの信頼も厚く、世界中の一流オーケストラと共演を重ねてきたイタリアの名チェリスト、マリオ・ブルネロ。これまでにマルタ・アルゲリッチ(ピアノ)やギドン・クレーメル(ヴァイオリン)らと共演し、室内楽奏者としても高い評価を得ている。そんなブルネロが、八ヶ岳高原音楽堂でのサロンコンサートに登場。愛用の銘器マッジーニを駆って、「チェリストにとっての聖書」とも呼ばれる大バッハのチェロ組曲から第3番をはじめ、テレマン(原曲はヴィオラ・ダ・ガンバ作品)、ヴァインベルクの第1番、イザイと古今の無伴奏ソナタの佳品を。さらに、ピアソラの「コントラバヒッシモ」を、ループ・エフェクターを使っての多重演奏で披露する。標高1500メートルの豊かな自然の中、250人の聴衆だけが味わえる超一級のパフォーマンス。これほど贅沢な時間が、他に望めようか。
文:寺西 肇
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年10月号から)
11/15(土)17:00 八ヶ岳高原音楽堂
問:八ヶ岳高原ロッジ0267-98-2131
http://www.yatsugatake.co.jp