勢いのある若手からベテランまで、人気アーティストによる上質な室内楽を
文京シビックホールの「夜クラシック」は、人気と実力を兼ね備えたアーティストが“名曲を名演で聴かせる”シリーズ。作品や演奏への親しみと理解を深めてもらおうとトークも交え、会場には温かく親密な雰囲気がただよう。3年ぶりの再開となる2023-24シーズンは開演が19時に繰り上がり、多種多様な編成のアンサンブルが登場。全4公演のシーズンセット券も用意されている。
7月28日(vol.29)はピアノの仲道郁代と萩原麻未が登場。モーツァルト「2台ピアノのためのソナタ」で、生き生きとした両者の対話が天上へと聴き手をいざなう。ボロディンの歌劇《イーゴリ公》より「ダッタン人の踊り」では、躍動感あふれるリズミカルなモチーフを存分に聴かせる。ビゼー(アンダーソン編)の「カルメン幻想曲」では耳慣れた旋律の連続に会場が湧きたち、一体感が生まれるに違いない。
10月13日(vol.30)はピアノの實川風とヴァイオリンの周防亮介のデュオが堪能できる。フォーレの夜想曲や舟歌、ラヴェル「ツィガーヌ」でそれぞれの個性が発揮され、フランクのヴァイオリン・ソナタでは流麗な旋律にあふれた名曲に若きふたりがみずみずしさと新鮮な息吹を吹き込む。
2024年は弦楽器ファン待望の作品が多く組まれ、1月26日(vol.31)には進境著しいエール弦楽四重奏団、3月15日(vol.32)には前橋汀子&弦楽アンサンブルの公演が予定され、シューベルト「死と乙女」、ヴィヴァルディ「四季」など聴き応えのあるプログラムが演奏される。
文:伊熊よし子
(ぶらあぼ2023年4月号より)
vol.29 2023.7/28(金)
vol.30 10/13(金)
vol.31 2024.1/26(金)
vol.32 3/15(金)各日19:00 文京シビックホール
問:シビックチケット03-5803-1111
https://www.b-academy.jp/hall/
※セット券は3/31までの期間限定販売