アルゲリッチが得意のプログラムでMCO初登場のマテウスと共演!
別府アルゲリッチ音楽祭が今年も開催される(4/26〜7/17、テーマ「ミーティングポイント 違いを超えて」)が、ここでは水戸室内管弦楽団(MCO)との共同制作である「水戸室内管弦楽団 第111回定期演奏会」をご紹介したい。希代のピアニスト・アルゲリッチはこれまで4回、我が国を代表する室内オーケストラである水戸室内管弦楽団と共演を重ね、そのたびに圧倒的な感動をもたらした。今回はそれに加え、世界の最前線で活躍する若手指揮者ディエゴ・マテウス(ベネズエラ出身)が指揮者として初参加するということで、より期待が高まっている。
マテウスは小澤征爾MCO総監督からの信頼も厚く、2022年からは小澤征爾音楽塾の首席指揮者となった。この3月には《ラ・ボエーム》公演も指揮する。2月には東京二期会主催の《トゥーランドット》の指揮も担当し、スケールの大きな音楽作りによって、プッチーニの最後のオペラを鮮やかに現代に再現した。
そのマテウスとアルゲリッチが共演するというニュースは、まさに嬉しい驚きだ。ふたりが共演する作品はラヴェルの「ピアノ協奏曲 ト長調」である。これはアルゲリッチが得意とする協奏曲のひとつで、彼女の衰えることのない音楽への情熱をその演奏から教えてくれる作品でもある。精鋭を集めた水戸室内管との共演、そしてマテウスの緻密で情熱的なリードによって、ラヴェルの魅力が存分に味わえるだろう。他に、プロコフィエフの交響曲第1番「古典的」、コダーイの「ガランタ舞曲」なども演奏される。聴き逃せない注目公演だ。
文:片桐卓也
(ぶらあぼ2023年4月号より)
2023.5/13(土)19:00、5/14(日)15:00 水戸芸術館コンサートホールATM 完売
問:水戸芸術館 チケット予約センター029-231-8000
https://www.arttowermito.or.jp