川崎・しんゆり芸術祭 アルテリッカしんゆり2023

楽しめる公演がきっとある、バラエティ豊かなプログラム

 小田急線「新百合ヶ丘」駅を中心に、2009年から毎年春に行われている「アルテリッカしんゆり」。駅周辺の会場などで開催される大々的な芸術の祭典として、近隣住民はもちろんのこと、小田急線沿いの他の街に住む人々からも注目されているイベントだ。オペラ、バレエ、オーケストラ、演劇、伝統芸能など、様々なジャンルのアーティストが集う世界的にも稀な芸術祭であり、老若男女幅広く楽しめるバラエティに富んだ公演が予定されている。

 第15回となる今回は、4月16日から5月14日まで、川崎市内8会場を舞台に開催。クラシック公演には話題の演奏家が多数出演する。まずは2022年のダブリン国際ピアノコンクール、「リスト ユトレヒト」(リスト国際コンクール)の優勝者であり、地元・昭和音楽大学および同大学院出身のピアニスト、黒木雪音。小林研一郎指揮の東京交響楽団とリストのピアノ協奏曲第1番を演奏する。また日本を代表するオペラ団体である藤原歌劇団の新制作のオペラ G.ドニゼッティ作曲《劇場のわがままな歌手たち》、注目の歌手4名「Quattro Aria」による日本の芸術歌曲や歌謡曲のコンサート、神奈川フィル・コンマスの石田泰尚を中心とした「トリオ・リベルタ」の公演なども見逃せない。さらに川崎市麻生区黒川に稽古場を持つ劇団民藝、読売日本交響楽団、日本オペラ振興会の3団体が合同で行う、名作文学の朗読、弦楽四重奏、佐藤美枝子(ソプラノ)と小堀勇介(テノール)によるオペラアリアの公演は大きな話題を呼びそうだ。今年の春は“しんゆり”で芸術に溢れた日々を過ごしてみては。
文:長井進之介
(ぶらあぼ2023年4月号より)

2023.4/16(日)~5/14(日) 川崎市アートセンター、昭和音楽大学 他
問:アルテリッカしんゆりチケットセンター044-955-3100
https://www.artericca-shinyuri.com