METライブビューイング 2014-15

ネトレプコ、フレミングなど今年もスター歌手たちが集結!

 「世界中に本物の迫力と感動を届ける」METライブビューイング。絶妙のカメラワークで舞台を活き活きとスクリーンに映し、オペラを手軽に楽しませることでとみに評価が高いが、11月からの新シーズンでは何より、スター歌手の豪華な顔ぶれに目を奪われる。
 まずは開幕を飾る《マクベス》。オペラ界の頂点に立つ名花アンナ・ネトレプコが満を持してマクベス夫人の役に挑んだ。常に全力投球の彼女がこの悪女役で新境地を拓く。続く《フィガロの結婚》では、指揮台に復帰した巨匠ジェームズ・レヴァインのもとに名歌手が集結、優れたチームワークで「歌い合う素晴らしさ」を満喫させる。一方、喜歌劇の《メリー・ウィドウ》では、METを代表するプリマドンナのルネ・フレミングが優雅な未亡人役を演じ、美丈夫でパワフルなバリトンのネイサン・ガンが相手役を務め、大人の恋の駆け引きをしっとりと描くだろう。
 このほか、喉の技を華やかに競う《湖上の美人》は、ベルカントの第1人者ジョイス・ディドナートが題名役、共演は名テノールのファン・ディエゴ・フローレスとジョン・オズボーン、貫禄のメゾのダニエラ・バルチェッローナという、実に贅沢なキャスティング。《イオランタ》と《青ひげ公の城》も、奇才マリウシュ・トレリンスキの演出で人間の「光と闇」を対照的に描くステージに。「人気のオペラに深く踏み込み、知られざる名作に近づく好機」として、全10作はどれも見逃せない!
文:岸 純信(オペラ研究家)
(ぶらあぼ2014年11月号から)

11/1(土)《マクベス》より10作品を順次上映 詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。 
http://www.shochiku.co.jp/met

《マクベス》から(c)Marty Sohl/Metropolitan Opera
《マクベス》から(c)Marty Sohl/Metropolitan Opera

《マクベス》から(c)Marty Sohl/Metropolitan Opera
《マクベス》から(c)Marty Sohl/Metropolitan Opera