アレクセイ・リュビモフ(ピアノ) 我が友、シルヴェストロフに捧ぐ

シルヴェストロフ作品の第一人者が紡ぐ祈りのプログラム

 ロシアのウクライナ侵攻後まもない昨年4月、ピアニストのアレクセイ・リュビモフのモスクワでのコンサート中に警官が突入する様子がSNSを駆け巡った。彼は冷静に演奏を続けたが、このコンサートで彼は親しい友人であるウクライナの作曲家シルヴェストロフと、シューベルトの作品を取り上げていた。

 昨今、シルヴェストロフの深い祈りに満ちた音楽は、ウクライナへの連帯を示すべく世界中の音楽家によって演奏されているが、リュビモフは長年彼の作品を弾き、録音してきた最良の解釈者として知られる存在だ。

 そのリュビモフが4月に来日し、「我が友、シルヴェストロフに捧ぐ」と題されたツアーを行う。招聘元のMCSヤング・アーティスト主催のシリーズ「祈りが音楽になったのではない 音楽こそが祈りだったのだ」の第4弾にあたり、ブラームスとシルヴェストロフ、4月16日に東京で行われる会員限定コンサートではオール・ブラームス・プログラムが組まれている。今こそリュビモフ渾身のメッセージに耳を傾けたい。
文:後藤菜穂子
(ぶらあぼ2023年2月号より)

2023.4/11(火)、4/17(月)各日19:00 五反田文化センター
4/14(金)18:45 広島/はつかいち文化ホール ウッドワンさくらぴあ 他
2/13(月)発売(東京公演のみ)
問:MCSヤング・アーティスツ mticket@mcsya.org 
https://mcsya.org