【SACD】カンタービレ/塚越慎子

 次世代を担うマリンバの俊英・塚越慎子によるデビュー15周年記念アルバム。「cantabile(歌うように)」をテーマに打楽器的な躍動感だけでなく、彼女が常に意識してきた“歌心”をそこかしこに感じる一枚。海外で研鑽を積んだ日々に出会ったピアソラやタンゴ曲を弾くきっかけになったというコセンティーノ作品をはじめ、武満徹の歌など音楽人生を形づくった楽曲たちが選ばれているのもポイント。ベートーヴェンやラフマニノフのピアノ曲では伴奏も務める、近年活躍めざましい山中惇史による編曲ものも多数。細川俊夫や挾間美帆がマリンバのために書いた作品も必聴だ。
文:東端哲也
(ぶらあぼ2023年2月号より)

【information】
SACD『カンタービレ/塚越慎子』

ピアソラ:ロマンティコ/コセンティーノ:タンゴ・フォー・ゲーリー/ベートーヴェン(山中惇史編):アダージョ・カンタービレ(ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」第2楽章)/武満徹:MI・YO・TA(沼尻竜典編)/挾間美帆:マリンバのための小狂詩曲/細川俊夫:想起/ラフマニノフ(山中編):前奏曲 op.23-4 他

塚越慎子(マリンバ)
山中惇史(ピアノ)

オクタヴィア・レコード
OVCC-00168 ¥3520(税込)