夜クラシック 小ホール特別編〈第4回〉 山田武彦(ピアノ)

多才な鍵盤の達人がいま改めて向き合うベートーヴェン

(c)井村重人

 文京シビックホールの「夜クラシック」にピアニストの山田武彦が登場し、ベートーヴェンのピアノ・ソナタなどを演奏する。「夜クラシック」は、2014年に始まった同ホールの独自企画であり、廉価で名曲中心のプログラムが楽しめるというもの。文京シビックホールの大ホール1階席のみを使った人気アーティストの室内楽コンサートとして好評を博してきたが、今年度は大ホールの改修に伴い(2023年1月26日にリニューアルオープンされる)、小ホールで開催されている。

 山田は、ピアノ・ソロだけでなく、室内楽、トーク、そして、浅草オペラの名曲で構成された「ああ夢の街 浅草!」で音楽監督・編曲・ピアノ演奏を務めるなど、多彩に活躍している。これまでの同シリーズでも、大ホール改修中の特別編で毎回、室内楽でさまざまなアーティストとアンサンブルを奏でてきたクラシックマイスター山田武彦が、今回はピアノ・リサイタルを開催。ドビュッシーの「月の光」、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第7番、第23番「熱情」、第30番を弾く。「月の光」は、この特別編で毎回、最初に様々な楽器で演奏されてきた。今回は、パリ国立高等音楽院で学んだ山田のエスプリに満ちたピアノ・ソロでの演奏が楽しみである。ベートーヴェンは、初期、中期、後期のソナタが並べられている。「熱情」では、コンサート・ピアニストとしての山田の本領が発揮され、ベートーヴェン晩年の第30番では彼の円熟が示されるに違いない。
文:山田治生
(ぶらあぼ2023年1月号より)

2023.1/13(金)19:00 文京シビックホール(小)
問:シビックチケット03-5803-1111 
https://www.b-academy.jp/hall/