【SACD】Transformer/岡田奏

 「変奏曲」をテーマに、時代も国も異なる作曲家3人の作品を収め、「Transformer」と銘打った、岡田奏4年ぶり2作目のアルバム。ラモーの「6つのドゥーブル」はバロック音楽らしいグルーヴ感が瑞々しい。ラフマニノフの「コレルリの主題による変奏曲」は変奏ごとのキャラクターを鮮やかに描きつつ、全体にどこか哀愁のある統一した色調が通底する。シューマンの「交響的練習曲」は奥行きのあるダイナミクスと自然な緩急が美しい。隅々まで丁寧なタッチで奏されていながら、音楽的な勢いは決して停滞することのない、品位溢れるドラマティックな演奏だ。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2022年12月号より)

【information】
SACD『Transformer/岡田奏』

ラモー:ガヴォットと6つのドゥーブル/ラフマニノフ:コレルリの主題による変奏曲/シューマン:交響的練習曲 op.13

岡田奏(ピアノ)

オクタヴィア・レコード
OVCT-00202 ¥3520(税込)