三浦一馬(バンドネオン)

“アニヴァーサリー・イヤー”から、ピアソラ音楽が輝きを増す新時代へ

(c)Toshinori Iida

 2021年の生誕100年、2022年の没後30年と続いたピアソラのアニヴァーサリーもいよいよ終盤。多彩な編成でピアソラを演奏し、精力的に全国をツアーしてきたバンドネオン奏者、三浦一馬が音楽監督を務める『三浦一馬 ピアソラ・ザ・ファイナル』(Bunkamura オーチャードホール)は、まさにその掉尾を飾るにふさわしい豪華なコンサートだ。

 「フェスティバルのような雰囲気にしたくて、これまで共演した方々をはじめ、今をときめく音楽家の皆さんをお迎えすることに。これまで自分がいろいろな角度から突き詰めてきたピアソラの音楽を、若い世代の方々に託すと言ったらまだ早いですが、一緒にシェアしていけたらという意味で、若いメンバーからなるタクティカートオーケストラにもご一緒いただきます」

 出演者にはピアノ・デュオのアン・セット・シス(山中惇史、高橋優介)、チェロの笹沼樹、ヴァイオリン・デュオのドス・デル・フィドル(石田泰尚、﨑谷直人)、ギターの朴葵姫、ヴァイオリンの林周雅と錚々たる顔ぶれが並ぶ。

 「基本的にはソリストが1組ずつ登場してオーケストラと共演するスタイルになります。たとえば原曲でヴァイオリンがフィーチャーされている『エスクアロ(鮫)』はドス・デル・フィドルの超絶技巧で、『ブエノスアイレスの冬』は朴葵姫さんのクラシック・ギターにスポットをあてた編曲でお聴きいただこうと。さらに、ピアソラには『螺鈿協奏曲』という、9人のソリストとオーケストラが共演する作品があるのですが、今回の編成でそれができるのではないかと考えています」

 一方、2023年1月には宮崎(メディキット県民文化センター)でも「ピアソラ・ザ・ファイナル」が予定されている。こちらは宮田大(チェロ)、上野耕平(サクソフォン)、大萩康司(ギター)、山中惇史(ピアノ)を迎えて2021年9月に開催されたサントリーホールでのコンサートの再演となる。

 「コロナ禍で大変だったあの時期に、サントリーホールが満席になるほどのお客さまにお越しいただき、最高のメンバーで、最高の演奏ができて、本当に特別な一夜でした。ほかのメンバーもきっとそう思ってくれているはずなので、また宮崎の地で共演できるのが楽しみです」

 今年12月には三浦一馬五重奏団によるニュー・アルバム『天使のミロンガ 〜ピアソラ スタンダード&ビヨンド』のリリースも予定されているとのこと。三浦一馬のピアソラ・イヤーはまだまだ終わらない。
取材・文:原典子
(ぶらあぼ2022年11月号より)

三浦一馬 ピアソラ・ザ・ファイナル
2022.11/25(金)19:00 Bunkamura オーチャードホール
問:Mitt 03-6265-3201
https://www.columbiaclassics.jp

他公演
2023.1/15(日) メディキット県民文化センター(宮崎県立芸術劇場)
アイザックスターンホール(0985-28-7766)

CD『天使のミロンガ 〜ピアソラ スタンダード&ビヨンド』
日本コロムビア
COCQ-85598
¥3300(税込)
2022.12/21(水)発売