アレクサンドラ・ドヴガン ピアノ・リサイタル

世界が注目する15歳、待望の日本デビュー

(c)Irina Schymchak

 この秋、驚異の若きアーティストが日本デビューを果たす。ロシア出身、現在15歳のアレクサンドラ・ドヴガンだ。難関で知られるモスクワ音楽院附属中央音楽学校に5歳で入学し、名教師ミラ・マルチェンコに師事。ウラル・プロコフィエフ国際コンクールや、若い音楽家のための国際音楽コンクール「くるみ割り人形」での入賞など、数々の輝かしい成績を収めている。ベルリン・フィルハーモニーやアムステルダムのコンセルトヘボウといった著名なホールでデビューし、ザルツブルク音楽祭やラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭にも招待されているドヴガンは、まさに“神童”と呼べる存在だろう。しかし、彼女はもうそれすら飛び越えている。“生ける伝説”と評されるピアニスト、グリゴリー・ソコロフから「稀代の事件だ」「アレクサンドラの才能は桁外れに調和している」と絶賛されるほど、すでに成熟した音楽家なのである。確かに彼女のYouTubeチャンネルの動画を視聴すると、精度の高いテクニックはもちろん、深く充実した響きの音色、音楽をまとめあげる構築力の高さなどが存分に発揮されているのがわかる。

 今回のリサイタルではベートーヴェンの「テンペスト」にシューマンの「ウィーンの謝肉祭の道化」、ショパンの「4つのバラード」という、ピアニストの技術と表現力がすべて露わになる作品が並んでいるが、だからこそ彼女がどのようなピアニストなのかを存分に感じ取ることができるはずだ。
文:長井進之介
(ぶらあぼ2022年10月号より)

※演奏家の希望により、当初の予定から曲目が変更となっています。(9/5主催者発表)

<新たな曲目>
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番 ニ短調 作品31-2「テンペスト」
シューマン:ウィーンの謝肉祭の道化
ショパン:幻想曲 へ短調 作品49
ショパン:バラード第4番ヘ短調 作品52
ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 作品22


詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。

2022.9/26(月)19:00 紀尾井ホール
問:AMATI 03-3560-3010 
https://www.amati-tokyo.com