川瀬賢太郎が名古屋フィル第6代音楽監督に就任

 名古屋フィルハーモニー交響楽団は、現在正指揮者を務める川瀬賢太郎が2023年4月より第6代音楽監督に就任することを発表した。任期は2026年3月までの3年間。川瀬は38歳での就任となり、名フィルの歴史のなかでも、初代音楽監督の岩城宏之(就任当時38歳)と並んで最も若い音楽監督の誕生となる。

Kentaro Kawase ©Yoshinori Kurosawa

 川瀬は1984年東京都生まれ。東京音楽大学音楽学部音楽学科作曲指揮専攻(指揮)を卒業。広上淳一、汐澤安彦、チョン・ミョンフンなどの各氏に師事。大学在学中の2006年に、東京国際音楽コンクール〈指揮〉において1位なしの2位(最高位)に入賞し、注目を集めた。近年は、国内の主要オーケストラに多数出演。特に、2014年から8シーズンにわたり常任指揮者を務めた神奈川フィルで、楽団のポテンシャルを着実に高め、音楽ファンの支持を集めたことは記憶に新しい。今年4月からは、札響の正指揮者に就任。9月からはオーケストラ・アンサンブル金沢(現在はパーマネント・ゲストコンダクター)のパーマネント・コンダクターも務めることが決まっているなど、多くの重要ポストを担うことになる。
 名フィルでは2011年から指揮者を務め、19年には正指揮者となり共演を重ねてきた。プログラミングに定評があり、オペラの指揮台に上がる機会も多い川瀬だけに、次シーズンの公演ラインナップがどのようなものになるのかも楽しみだ。

 あわせて、現音楽監督・小泉和裕が、退任(2023年3月)に伴い新たなポスト・名誉音楽監督となることも発表された。ベテラン小泉から、いま最も勢いのある若手指揮者である川瀬へとバトンが引き継がれ、新時代を迎える名古屋フィルの今後に注目したい。

名古屋フィルハーモニー交響楽団
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