体を預けられるようなシンプルなリズムやメロディ。ハーモニーがバチッと決まって、カラッと鳴ること。オリジナル曲のみならず、民謡や古楽からポピュラーな旋律まで、多彩なレパートリー。ブラス・アンサンブルの演奏会をやるならいくつか押さえるべきツボがあるが、それらをすべてクリアしたお手本のような一枚だ。曲の難易度も見本市のように様々で、実力に応じた曲をチョイスしてチャレンジする愛好家もいるのではないか。すべての曲にユーフォニアムが加わり中声に厚みを加えているのも本盤の特徴だが、とりわけ委嘱作品である「リバーサイド・ストリート」ではユーフォの齋藤由美子が活躍する。
文:江藤光紀
(ぶらあぼ2022年7月号より)
【information】
CD『グレグソン:3つのダンス・エピソード/オズカ・ブラス・コネクション』
フランク:金管のための序曲/竹鼻雪乃:金管6重奏のための「2つのケルト民謡」/ガブリエリ(キング編):ソナーレのためのカンツォーナ第1番〜第4番/ヤン・ファン=デル=ロースト:4つの古い舞曲/グレグソン:3つのダンス・エピソード/大野雄士:リバーサイド・ストリート/河合和貴:金管8重奏のためのラファーガ 他
オズカ・ブラス・コネクション
コジマ録音
ALCD-3123 ¥3080(税込)