想い溢れるピアノの「アリア」
第一生命ホールでランチタイムの1時間を過ごすコンサートシリーズ「昼の音楽さんぽ」に、ピアニストの北村朋幹が登場する。14歳で東京音楽コンクールの覇者となり、現在はベルリン芸術大学で研鑽を積む北村。日本で演奏会が開かれるたびに、その研ぎ澄まされた感性と集中力、高い志、そして明快なプログラミング・コンセプトで注目されている。今回のプログラムのテーマは「アリア」。ピアノで歌う一曲目はショパンのノクターン第16番。そしてベートーヴェンのソナタ第31番、第3楽章は「嘆きの歌」と呼ばれる声楽的な音楽だ。有名なバッハ=コルトーの「アリオーソ」に続き、最後にブラームスの「幻想曲集op.116」が用意されている。北村は「4曲とも心が本当に開いていないと弾けない」、とくにブラームスの音楽は「心の伝えなくてもいいような部分まで見えてしまう音楽」と語る。想い溢れるピアノの「アリア」にじっくりと耳をそばだてたい。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年7月号から)
8/7(木)11:30 第一生命ホール
問:トリトン・アーツ・ネットワーク・チケットデスク03-3532-5702
http://www.triton-arts.net