京都バレエシアター『海賊』

 京都に本拠を置く寺田バレエ・アートスクールは、1975年ウクライナ共和国のキエフ・バレエ学校と姉妹校の関係を結んで以来、40年近くにわたって京都とウクライナとの文化交流に尽力してきた。その寺田バレエを母体とする京都バレエシアターが、この夏、冒険とロマンが織りなす大作『海賊』全幕を上演する。演出・振付は同バレエ・アートスクールの2代目・寺田宜弘。日本人初の留学生としてキエフ国立バレエ学校で学び、95年に卒業後キエフ・バレエ団のソリストとして活躍。現在キエフ国立バレエ学校と京都バレエシアターの芸術監督を兼任する。
 今回の大きな見どころは、主役にキエフ・バレエが世界に誇るプリマ、エレーナ・フィリピエワとマリインスキー・バレエのプリンシパル、デニス・マトヴィエンコの2大スターが扮すること。マトヴィエンコはつい最近までキエフ・バレエの芸術監督を務めていたが、現役としても絶好調で、可憐なフィリピエワとの息の合ったパートナーシップに定評がある。ふたりを中心に、京都バレエシアターのソリストである岩崎純子や石川直実のほかキエフ・バレエ団のメンバーが脇を固めるなど、見応えある舞台となりそうだ。
 『海賊』とともにウクライナの民族舞踊『ゴパック』が上演されるのも文化交流にふさわしく、舞台に華を添えてくれることだろう。
文:渡辺真弓
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年8月号から)

8/10(日)18:00 びわ湖ホール 
問:寺田バレエ・アートスクール075-751-7944 
http://www.teradaballet.org