クシシュトフ・ペンデレツキの国葬が2年遅れでクラコフで開催

ポーランド大統領も参列

 1960年に発表した代表作「広島の犠牲者に捧げる哀歌」など知られ、グラミー賞を4度受賞した現代ポーランドを代表する作曲家クシシュトフ・ペンデレツキ Krzysztof Penderecki (1933-2020)が亡くなって2年。命日にあたる3月29日、パンデミックの影響で延期されていたミサが、国葬という形で故郷クラクフの聖ペテロ・聖パウロ教会で執り行われた。葬儀には、未亡人や親族のほか、アンジェイ・ドゥダ大統領ら閣僚も多数参列。YouTubeでの生中継のほか、各メディアでは特別番組が放映されるなど、まさに国を挙げての追悼の一日となった。

 典礼のなかでは、国立フィルハーモニー合唱団とクラクフ・シンフォニエッタ・クラコヴィアにより、交響曲第7番「エルサレムの7つの門」より〈深き淵より〉、「セレナード」より〈パッサカリア〉などが演奏されたほか、クラクフのクシシュトフ・ペンデレツキ音楽院合唱団は、1980年代の大作「ポーランド・レクイエム」から〈アニュス・デイ〉を歌うなど、宗教曲を中心に、ペンデレツキの作品が多数演奏された。

©︎ Schott Promotion and Peter Anderson

 また、現地メディアの報道によれば、作曲家から作品の献呈も受け、25年来の友人でもあったヴァイオリニストのアンネ=ゾフィー・ムターが、バッハ=グノーの「アヴェ・マリア」を演奏したという(中継映像では確認できず)。ミサの終了後、作曲家の遺灰を納めた骨壷は、国立パンテオンの地下室に安置された。

中継映像フルバージョンは以下のYouTubeをご覧ください↓

Europejskie Centrum Muzyki Krzysztofa Pendereckiego
https://penderecki-center.pl/krzysztof-penderecki