第519回日経ミューズサロン 富田心 東京デビュー・ヴァイオリン・リサイタル

海外で躍進する期待の新星が登場

 富田心(こころ)、と聞いてすぐにピンときた方はかなりのヴァイオリン好きか若手演奏家の動向に注目しているファンかもしれない。それもそのはず、2002年に岡山で生まれた富田は、生後6ヵ月で渡英後、10歳でデビュー。以来、イギリスに拠点を置きつつイタリア、オーストリア、オランダなどのヨーロッパおよびカナダで活動してきたからだ。その富田がこのたび満を持しての日本デビューリサイタルを日経ホールで開催する。共演はピアノの沢木良子。

 プログラムはエネスク、モーツァルト、ラヴェル、チャイコフスキー、グリーグ。一部の曲は近日リリース予定のデビューアルバムにも収録されているが、収録曲へのコメントとして富田は「私のルーツを辿るもの」「特別な思い入れがある」と述べる。このリサイタルにおいてはアルバム収録曲以外にも富田が長年弾き続けている得意の「勝負曲」が披露されると見てよく、YouTubeにいくつかアップロードされている見事な演奏からも実演への期待はいやが上にも大きく膨らむ。必聴ではないか?
文:藤原聡
(ぶらあぼ2022年2月号より)

2022.2/4(金)14:00 18:30 日経ホール【配信あり】
問:日経公演事務局03-5227-4227
https://stage.exhn.jp
https://stage.exhn.jp/stream/(アーカイブ配信)