【CD】舞踏への誘い/栗原麻樹

 栗原麻樹は、12年間にわたりフランスで学んだ“よく喋る赤髪ピアニスト”。華麗な演奏とラジオでのトークなど明るいキャラクターで人気を集めている。演奏も非常に雄弁で、軽快なタッチ、艶のある音色が魅力的だ。今回の「舞曲」をテーマとしたプログラムは、そんな彼女のピアニズムと非常に相性がいい。プレトニョフ編曲による「くるみ割り人形」と「眠れる森の美女」は、高い技巧はもちろん音色の多彩さも求められる難曲だが、栗原は各要素を立体的に浮かび上がらせ、楽曲の美しさや楽しさを伝えてくれる。「亡き王女のためのパヴァーヌ」では繊細であたたかい音色が印象的。
文:長井進之介
(ぶらあぼ2022年1月号より)

【information】
CD『舞踏への誘い/栗原麻樹』

チャイコフスキー(プレトニョフ編):演奏会組曲「くるみ割り人形」、同「眠れる森の美女」/ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ

栗原麻樹(ピアノ)

コジマ録音
ALCD-7270 ¥3080(税込)