アンサンブル・パルナス東京 演奏会 冬の星空バロック

ピリオド楽器で愉しむ後期バロックの巨匠たち

 まさに“バロック音楽のエッセンス”と言えよう。国内外で活躍するピリオド楽器の名手で構成された「アンサンブル・パルナス東京」が贈るステージ「冬の星空バロック」。フランスのラモーからイタリアのヴィヴァルディ、イギリスで活躍したヘンデル、ドイツのバッハまで、同時代にありながら、まったく異なる輝きを放つ、星々のごとき佳品の数々を聴かせてくれる。

 「アンサンブル・パルナス東京」は、コンサートマスターを務める川原千真やチェロの田崎瑞博ら、ピリオド楽器を駆使するアンサンブル「音楽三昧」やモダン楽器の弦楽クァルテット「古典四重奏団」で活躍するメンバーを軸に、チェンバロの能登伊津子も加わり、管弦と通奏低音の実力派奏者で構成されている。古楽器ならではの透明感のある響きと躍動感あふれるアンサンブルが持ち味。その名は、神話でアポロンとミューズの住処であり、たびたび芸術の題材となった山「パルナス(パルナッソス)」に由来する。

 今回は、ラモーのオペラ・バレ「優雅なインドの人々」の抜粋で華麗に幕開け。当時の“最先端”だったヴィヴァルディの協奏曲では、入れ替わりで登場するソリストの饗宴を楽しむ。そして、旋律美と構成美を併せ持つヘンデル「合奏協奏曲」、2つのリコーダーとヴァイオリンが舞い踊るバッハ「ブランデンブルク協奏曲第4番」を披露。締め括りには、バッハのカンタータ第29番から、器楽のみで奏される「シンフォニア」を。もともとは無伴奏ヴァイオリン曲からバッハ自身が編曲した作品だが、田崎が本公演のために再編曲した特別な版で聴く。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2021年12月号より)

2021.12/14(火)14:30 19:00 Hakuju Hall
問:ビーフラット・ミュージックプロデュース03-6908-8977 
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