【CD】ポワンティエ/クインテット・ポワンティエ

 クインテット・ポワンティエは愛知室内オーケストラのメンバーが結成した木管五重奏団。いずれも愛知県立芸術大学卒で、軽やかなリズム感で聴き手をひっぱり、伸びやか、しなやかな旋律で魅了する。アンサンブルが自然に呼吸していて、“同じ釜の飯を食べる仲間”的な一体感が爽やかだ。時にファゴットやホルンも大胆に妙技を披露し、各人の実力のほどもうかがえる。イベール、リゲティ、ツェムリンスキーの小品を鮮やかにまとめる一方、ライヒャやタファネルといった古典的な作品では、和声の表現にも妙味があり、吹奏楽的なサウンド、シンフォニックな構成力にも大満足。頼もしい若手たちだ。
文:江藤光紀
(ぶらあぼ2021年11月号より)

【information】
CD『ポワンティエ/クインテット・ポワンティエ』

イベール:3つの小品/リゲティ:6つのバガテル/ライヒャ:木管五重奏曲 ホ短調/ツェムリンスキー:ユモレスク(ロンド)/タファネル:木管五重奏曲 ト短調

クインテット・ポワンティエ
【世良法之(フルート) 熊澤杏実(オーボエ) 芹澤美帆(クラリネット) 野村和代(ファゴット) 向なつき(ホルン)】

妙音舎
MYCL-00007 ¥3300(税込)