精鋭たちの弦楽アンサンブルによるジャンルレスの名曲の数々
もはや説明の必要もないだろう石田組。その名の通りヴァイオリニストの石田泰尚によって2014年に結成されたこの「組」は、男ばかりの名手で構成されたメンバー「半」流動の弦楽合奏体、取り上げる曲目もありきたりではない。もとよりジャンルレス志向ではあるが、今回もクラシック、タンゴ、映画音楽、そしてプログレッシヴ・ロックとその射程は驚くべき広さを誇る。
プログラミングのほとんどは石田自身によるもので、その基準はとにかく演奏してみたい曲とのこと。クラシック・ファンでも聴いたことのある方は少なかろう、と思われるマニアックなスヴェンセンの弦楽八重奏曲で幕が開き、次はピアソラの盟友であったヴァイオリニストのA・アグリによるアディオス・ノニーノ変奏曲。中盤に『ニュー・シネマ・パラダイス』ほか誰もが知る映画音楽の傑作3曲を挟み込み、ラストはツェッペリンとクリムゾンのロックで〆。リリカルさとキレッキレなグルーヴの振り幅に目眩がしそうな予感の火曜日白昼!
文:藤原 聡
(ぶらあぼ2021年10月号より)
2021.10/26(火)13:30 浜離宮朝日ホール【チケット完売】
問:朝日ホール・チケットセンター03-3267-9990
https://www.asahi-hall.jp/hamarikyu/