新百合ヶ丘を拠点とする昭和音楽大学から、選抜メンバーによるオーケストラが出演。高い技術、フレッシュで勢いのある演奏……という次元に収まらない快演を実現してしまうのが彼らの魅力。昨年のモーツァルト「ジュピター」は、田中祐子の熱い指揮もあり、各パートが歌いあげ、凄まじいテンションでスケール雄大、お世辞抜きに屈指の名演で驚嘆したものだった。
今年は名匠・山下一史の指揮で、ベートーヴェンとストラヴィンスキー、音楽界に多大な影響を与えた巨人たちの名作を聴かせる。ベートーヴェンはシリアスな「コリオラン」序曲とユーモラスな傑作交響曲第8番。ストラヴィンスキーは楽しい「サーカス・ポルカ」、出世作の「花火」、そして彼の名を世界に知らしめた「火の鳥」の組曲(1919年版)。多彩な魅力に満ちた5曲、9月に還暦を迎える山下と若き学生たちのパフォーマンスが楽しみだ。
文:林昌英
【Information】
フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2021
昭和音楽大学
19世紀の楽聖と20世紀の巨人への祝砲2連発!
2021.8/8(日・祝)15:00 ミューザ川崎シンフォニーホール
(14:15開場)
指揮:山下一史
プログラム
ベートーヴェン:「コリオラン」序曲
ベートーヴェン:交響曲 第8番
ストラヴィンスキー:サーカス・ポルカ
ストラヴィンスキー:花火
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「火の鳥」組曲(1919年版)
●ホール座席券(全席指定)
一般 | 1,000円 |
※未就学のお子さまはご入場いただけません。
●オンライン鑑賞券
一般 500円
友の会 500円
ライブ+アーカイブ配信
※アーカイブ配信は翌々日正午より開始
※ライブ配信は開場時間より開始
*詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
問:ミューザ川崎シンフォニーホール044-520-0200
https://www.kawasaki-sym-hall.jp/festa/calendar/detail.php?id=2926
特集:フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2021
昨年、コロナ禍において先陣を切って行われた大規模音楽祭、フェスタサマーミューザKAWASAKI。感染対策を徹底し会場に観客を入れ(1/3ほどに制限)、全公演のライブ配信も行った。あの時期に1人の感染者も出さず、17回におよぶオーケストラ公演を行ったことは世界的に見ても大きなチャレンジかつ実績となった。そのサマーミューザ、今年は20公演とさらにパワーアップして7月22日から8月9日まで開催される。9つの首都圏のオーケストラに加え、オーケストラ・アンサンブル金沢と京都市交響楽団が加わった豪華ラインナップ。もちろん今年も 生音+生配信。サマーミューザおなじみの人気企画、プレトークやプレコンサートの模様もライブ配信されるので、全国どこからでも音楽祭を楽しめる。暑い夏に熱いパフォーマンスを期待したい。