巨匠レーゼルから葵トリオまで、濃い内容の聴きものがズラリ!
紀尾井ホールの2021年秋以降の主催公演は、同ホールらしい演奏者とプログラムが並ぶ。紀尾井ホールで数々の名演を繰り広げてきた、ドイツの巨匠ペーター・レーゼルが、10月にコロナ禍を超えて(昨年5月に予定されていたが延期となった)フェアウェル・リサイタルをひらく。07年の紀尾井ホールでの初リサイタルと同じプログラムを再現。ハイドンの第52番、ベートーヴェンの第32番、シューベルトの第21番という、レーゼル十八番のソナタで別れを告げる(10/13 完売)。
17年から紀尾井ホール室内管弦楽団(KCO)首席指揮者を務めているライナー・ホーネックが振るニューイヤー・コンサートもとても楽しみだ。ウィーン・フィルのコンサートマスターを長年務める彼が、どんなプログラムを披露するのか興味津々である(2022.1/21〜1/23)。さらに、22年2月には首席指揮者としての最後のKCO定期に登場し、バッハの協奏曲でヴァイオリンを弾くほか、モーツァルト「リンツ」やベートーヴェンの交響曲第2番を指揮する(2/11, 2/12)。
11月のピョートル・アンデルシェフスキは、KCO定期に登場してモーツァルトのピアノ協奏曲を弾き振りするほか(21.11/5, 11/6)、リサイタルではオール・バッハのプロを披露する(11/13)。
ラストもあれば、新たなスタートもある。新シリーズ「紀尾井レジデント・シリーズ」に、ミュンヘン国際音楽コンクール優勝の葵トリオが選ばれ、3年にわたり、紀尾井ホールとコラボレーションを行う。1回目は、シューマンとシューベルトのピアノ三重奏曲第1番のほか、リームの作品で新境地を披露(22.3/16)。
文:山田治生
(ぶらあぼ2021年8月号より)
問:紀尾井ホールチケットセンター webticket@kioi-hall.or.jp
https://kioihall.jp/lineup
※ラインナップの詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。