ヴァイオリンの篠崎史紀をはじめとする名手たちが集ったN響室内合奏団が、世紀末ウィーンの香りを届けてくれる。プログラムはヨハン・シュトラウスⅡ世のワルツと、マーラーの交響曲第4番の室内楽バージョン。ウィンナ・ワルツを編曲したのは、シェーンベルク、ウェーベルン、ベルクという新ウィーン楽派の作曲家たちだ。彼らは同時代の音楽を演奏するために、しばしばオーケストラ曲を室内楽に編曲して演奏した。その副産物として誕生したのがウィンナ・ワルツの編曲。一連の演奏会では、マーラーの交響曲第4番も室内楽編曲で演奏された。ただし、今回演奏されるのは現代の作曲家による新編曲。原曲とは一味違った新たな感動を届けてくれるだろう。特にソプラノ(盛田麻央)入りの終楽章は劇的だ。
文:飯尾洋一
【Information】
フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2021
N響室内合奏団
新たな時代に蘇る世紀末ウィーンの香り
2021.7/28(水)15:00 ミューザ川崎シンフォニーホール
(14:00開場/14:20~14:40 篠崎史紀によるプレトーク)
出演
ヴァイオリン:篠崎史紀(NHK交響楽団 第1コンサートマスター)
ソプラノ:盛田麻央 *
ピアノ:入江一雄
ハーモニウム:山口綾規
フルート:甲斐雅之
オーボエ:池田昭子
クラリネット:松本健司
ファゴット:水谷上総
ホルン:今井仁志
打楽器:植松透、竹島悟史
ヴァイオリン:白井篤
ヴィオラ:中村翔太郎
チェロ:市寛也
コントラバス:西山真二
プログラム
ヨハン・シュトラウスⅡ(シェーンベルク編):南国のバラ
ヨハン・シュトラウスⅡ(ウェーベルン編):喜歌劇「ジプシー男爵」から 宝石のワルツ
ヨハン・シュトラウスⅡ(ベルク編):酒、女、歌
マーラー(K.ジモン編):交響曲 第4番(室内楽版)*
●ホール座席券
S席 | A席 | B席 | |
一般 | 5,000円 | 3,000円 | 2,000円 |
友の会 | 3,600円 | 2,700円 | 1,800円 |
U25(小学生以上25歳以下):各席半額
※U25割引はミューザ川崎シンフォニーホールおよびチケットぴあで購入できます。
※未就学のお子さまはご入場いただけません。
●オンライン鑑賞券
一般 1,500円
友の会 1,350円
ライブ+アーカイブ配信
※アーカイブ配信は翌々日正午より開始
※ライブ配信は開場時間より開始
*詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
問:ミューザ川崎シンフォニーホール044-520-0200
https://www.kawasaki-sym-hall.jp/festa/calendar/detail.php?id=2916
特集:フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2021
昨年、コロナ禍において先陣を切って行われた大規模音楽祭、フェスタサマーミューザKAWASAKI。感染対策を徹底し会場に観客を入れ(1/3ほどに制限)、全公演のライブ配信も行った。あの時期に1人の感染者も出さず、17回におよぶオーケストラ公演を行ったことは世界的に見ても大きなチャレンジかつ実績となった。そのサマーミューザ、今年は20公演とさらにパワーアップして7月22日から8月9日まで開催される。9つの首都圏のオーケストラに加え、オーケストラ・アンサンブル金沢と京都市交響楽団が加わった豪華ラインナップ。もちろん今年も 生音+生配信。サマーミューザおなじみの人気企画、プレトークやプレコンサートの模様もライブ配信されるので、全国どこからでも音楽祭を楽しめる。暑い夏に熱いパフォーマンスを期待したい。