オーストリアの11歳の新星ピアニスト、エリアス・ケッラーが初来日し、2019年に予定されている日本での公演開催を前に、都内で記者会見を行った。
(2018.10/23 ドイツ文化センター Photo:I.Sugimura/Tokyo MDE)
ケッラーは2007年オーストリア南部のフィラッハ生まれ。8歳でモーツァルテウム音楽大学の入学試験に合格。現在は、同大のコルデリア・ヘーファー・トイチュに師事している。また、地元の学校(学年は一学年飛び級)に通いながら、同時にフィラッハ音楽学校で合唱やトランペットなども学んでいるという。これまでに、オーストリア青少年ピアノ・コンクールで第1位、ベラ・バルトーク国際コンクール(ハンガリー)で第3位に入賞するなど、すでに数々のキャリアを積んでいる。数学が得意で、音楽だけでなく、数学コンクールで入賞もしているというユニークな一面も。17年にはオーストリアの公共放送ORFで特別ドキュメンタリー番組が放送されるなど、あどけない笑顔の少年の才能に国内外で注目が集まっている。
この日の会見前には、ミニ・コンサートが催され、モーツァルトのト長調ソナタK.283 第1楽章から、非常に高度なテクニックが要求されるリストの「リゴレット・パラフレーズ」まで6曲を力強いタッチで表情豊かに演奏。弾いている最中には、左手で指揮をするような仕草も。アンコールとして、日本古謡「さくらさくら」のアレンジ曲を披露した。
初めての日本の印象については「クールな国。高い建物がいっぱいあってビックリしている」とのこと。リストやラフマニノフなど後期ロマン派を中心とした音楽を好んで演奏しており、今後は協奏曲にも挑戦したいという。サッカーとスキーが大好きと無邪気に話す姿からは11歳らしい素顔も垣間見えたが、「僕はコンサートピアニストとしてはまだまだですが、世界中の大きなコンサートホールで演奏できるようなピアニストになりたい」と語り、将来へのビジョンは明確なようだ。
19年9月下旬には、ウィーン・フィルのメンバーなどで構成されるアンサンブルハーモニー・ウィーンとともに来日予定。プログラムはまだ発表されていないが、約1年後、心身ともに成長したエリアス少年が、第一線の演奏家たちと共にどのような音楽を聴かせてくれるのか、期待が高まる。
エリアス・ケッラー(ピアノ)&アンサンブルハーモニー・ウィーン
2019.9/27(金)19:00 サントリーホール(小)
来日期間:2019.9/22(日)〜9/29(日)
Elias Keller
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オフィス・フォルテ
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