第36回 横浜市招待国際ピアノ演奏会

4人の若き精鋭たちが横浜に集結


 横浜市招待国際ピアノ演奏会は、横浜の秋の音楽シーンには欠かせない存在だ。ピアニストの山岡優子が提唱したこの演奏会は、1982年に第1回を開催。97年以降は横浜みなとみらいホールで行われている。国際コンクールの入賞者から選りすぐられた気鋭のピアニストが集い、彩り豊かなプログラムを披露する。出演者の選定については、「35歳以下」で「国際コンクールに2回以上入賞」した経験をもつことを条件とする。
 36回目を迎える今年は11月3日に開かれ、4人の俊英が独奏と連弾に挑む。ヤクブ・チズマロヴィチはスロバキア生まれで、すでにラヴィニア芸術祭など有名な音楽祭に多く招かれている。フランス出身のナタナエル・グーアンは、ブラームス国際やマリア・カナルスなどのコンクールで優勝・入賞。近年ではマリア・ジョアン・ピリスとデュオ・リサイタルも行う。アレクセイ・タルタコフスキはニューヨーク・ピアノ・コンペティションなどで優勝し、2年前のショパン・コンクールのセミ・ファイナリスト。そして永野光太郎は、ハリーナ・チェルニー=ステファンスカ記念国際コンクール第2位などの受賞歴をもち、国内外で活動する。
 企画委員長を務めるのは海老彰子。出演者の選定にあたり、「個人的に言えば、音楽的な演奏・生きた演奏・私達に語りかけてくれる演奏」に留意するという。そして「更に人生で多くの経験を積み温故知新、たくさんの本を読み熟慮し、充実した豊かな人間性溢れるアーティストに時間をかけて育っていかれることを祈ります」と若手演奏家にエールを送る。
文:道下京子
(ぶらあぼ2017年10月号より)

2017.11/3(金・祝)14:00 横浜みなとみらいホール(小)
問:横浜みなとみらいホールチケットセンター045-682-2000 
http://www.yaf.or.jp/mmh/