ファン垂涎のコンビが、関西に登場!
ギルバートと都響の相性は抜群だ。ニューヨーク・フィル、サンタフェ・オペラの音楽監督を務めるアメリカ屈指の指揮者アラン・ギルバートと、このところ日本では稀有の立体的サウンドを構築している東京都交響楽団が、4月に大阪特別公演を行う。両者が、2011年初共演時のブラームスの交響曲第1番で、最初の一音から聴衆を魅了し、劇的かつ雄大な音楽で感嘆させたのは、もはや語り草。以後も16年1月のベートーヴェンの7番、7月のマーラーの5番など、共演ごとに衝撃的な名演を展開してきた。ギルバートの凄さは、都響のDNAに刻まれた有名曲で、新たな響きと鮮烈な表現を引き出している点。今や彼らは、絶対に聴き逃せないコンビと言っても過言ではない。
今回のプログラムでは、ベートーヴェンの「エグモント」序曲と交響曲第3番「英雄」がまず大注目。前記の各曲の成果を踏まえれば、これらおなじみの名曲を、重厚かつ繊細かつ躍動的な、耳に新しい音楽として聴かせてくれるに違いない。もう1曲はラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」。ピアノ・ソロを弾く1979年イスラエル生まれのイノン・バルナタンは、ニューヨーク・フィルの初代アーティスト・イン・アソシエーションを務めたほか、欧米の一流楽団と共演を重ね、ギルバート&都響とのベートーヴェンでも見事な演奏を披露している。この盟友共演も見どころだ。
それにしても“フェスティバルホールに響くギルバート&都響の演奏”…。関西のファンにはむろん貴重な機会だが、東京で聴いてきた者にも興味が尽きない。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ 2017年4月号から)
4/23(日)14:00 フェスティバルホール
問:フェスティバルホール チケットセンター06-6231-2221
http://www.festivalhall.jp/
※同プログラムによる公演
第830回 定期演奏会 Cシリーズ
4/22(土)14:00 東京芸術劇場 コンサートホール
問:都響ガイド03-3822-0727
http://www.tmso.or.jp/