ユッカ=ペッカ・サラステ(指揮) 新日本フィルハーモニー交響楽団

北欧の名匠と気鋭の若手で聴く“超名曲”

 新日本フィルが「ルビー 〈アフタヌーン コンサート・シリーズ〉」と名付ける金曜日と土曜日の午後2時開演の公演に、フィンランドの名指揮者ユッカ=ペッカ・サラステが招かれる。サラステはフィンランド放送交響楽団やトロント交響楽団などでシェフを務め、現在はケルンWDR交響楽団首席指揮者として活躍する実力者。録音も数多い。日本では一昨年にNHK交響楽団を指揮して好評を博したのが記憶に新しいところ。今回の新日本フィルとの共演では、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲とチャイコフスキーの交響曲第4番という超名曲を組み合わせたプログラムを披露する。
 メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲で独奏を務めるのは気鋭の若手、レイ・チェン。台湾出身で、2009年のエリーザベト王妃国際音楽コンクールの優勝者である。技巧の高さはもちろんのこと、のびやかな美音や豊かな歌心は、同曲をダニエル・ハーディング指揮スウェーデン放送交響楽団と共演した録音からも伝わってくる。メンデルスゾーンの音楽が持つ抒情性をたっぷりと堪能させてくれることだろう。
 チャイコフスキーの交響曲第4番では、サラステと新日本フィルの間に起きる化学反応に期待したい。サラステのこと、端整な造形と熱い情熱を両立させながら、作品の本質に迫るような演奏を繰り広げてくれるのではないだろうか。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ 2017年2月号から)

第4回 ルビー〈アフタヌーン コンサート・シリーズ〉
2/3(金)、2/4(土)各日14:00 すみだトリフォニーホール
問:新日本フィル・チケットボックス03-5610-3815
http://www.njp.or.jp/