ピアソラとシューマンをリラックスして愉しむ
Hakuju Hallの「スーパー・リクライニング・コンサート」は、文字どおり、全席がリクライニング席のコンサート。リラックスした姿勢で美しい音楽に浸ることができる人気シリーズだ。
年明けの第111回は、艶やかなタンゴ・リサイタル。小松亮太の愛弟子で、バンドネオン界期待の俊才・北村聡らによるクァルテット編成による演奏だ。鈴木慶子(ヴァイオリン)、加畑嶺(ピアノ)、田中伸司(コントラバス)とともに、タンゴの革命児・ピアソラの世界を瑞々しくしなやかに描き出す。大海を躍動的に泳ぐ鮫の姿を描いた「鮫」や、チェロの巨匠ロストロポーヴィチの委嘱で書かれた「ル・グラン・タンゴ」など、聴き応えのある佳曲が選ばれているのも魅力だ。
2月の第112回は、新鋭エーテルトリオによるオール・シューマン・プログラム。メンバーは、大江馨(ヴァイオリン)、笹沼樹(チェロ)、江沢茂敏(ピアノ)。大江は日本音楽コンクールを始めとした国内外のコンクールを次々に制覇。また、笹沼は東京音楽コンクール第2位、江沢は日本音楽コンクール第3位と、いずれも次世代の音楽界をリードするにちがいない期待の若手だ。そんな彼らがトリオを本格的にステージで披露するのは今回が初。演目は、「3つのロマンス」「アラベスク」「アダージョとアレグロ」「ピアノ三重奏曲第1番」。ソロ、デュオ、トリオの多彩な編成で、シューマンの室内楽の醍醐味であるロマンティックな香りを存分に堪能させてくれることだろう。
文:渡辺謙太郎
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年12月号から)
第111回 タンゴ・リサイタル 2016.1/15(金)15:00 19:30
第112回 エーテルトリオ・リサイタル 2016.2/26(金)15:00 19:30
Hakuju Hall
問:Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700
https://www.hakujuhall.jp