オルガン クリスマス・コンサート 「聖夜の贈り物」

オルガンと金管が醸す敬虔にして華麗なる響き

川越聡子
川越聡子

 最高のクリスマス・プレゼントになるだろう。神奈川県民ホール小ホールは、40年前、日本の公共ホールとして初めてパイプオルガンを設置した。東京芸術劇場副オルガニストを務める川越聡子が弾く、この名器(ドイツのヨハネス・クライス社製)と、読売日本交響楽団首席の日橋辰朗(ホルン)をはじめ、安藤友樹(トランペット)、辻本憲一(同)、新田幹男(トロンボーン)、佐藤和彦(テューバ)という名手による金管五重奏の競演が楽しめるのが、『オルガン クリスマス・コンサート 聖夜の贈り物』だ。
 まずは、オルガン・ソロによるバッハ「前奏曲とフーガハ長調」(BWV547)と、メシアン「神はわれらのうちに」で厳かに幕開け。続いて、金管五重奏の輝かしい音色を伴い、ギルマン「交響的断章」やカーナウ「ファンファーレとフローリッシュ」、リンドベルイ「ダーラナの古い牧舎の讃美歌」を披露。クリスマス・キャロルのメドレーに至っては、祝祭的な気分が一気に頂点へ。この贅沢な時間、大切な人と分かち合いたい。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年12月号から)

12/23(水・祝)15:00 神奈川県民ホール(小)
問:チケットかながわ0570-015-415
http://www.kanagawa-arts.or.jp