【CD】武満徹のうた/熊木夕茉&山田和樹

オーディションで指揮者の原田慶太楼を驚かせ、2024年にNISSAY OPERA《連隊の娘》で鮮烈なオペラ・デビューを果たした新星ソプラノの1stアルバム。世界的なマエストロもその声に惚れ込み自らピアノ演奏を申し出て、没後30年に相応しい武満ソング・ブックが実現した。ジャズやシャンソンの和声やリズムを纏い、谷川俊太郎らの味わい深いテキストと結びついた魅惑の「うた」が、地声とベルカントな高音を自在に行き来する歌唱によって紡がれていく様は圧巻。現在ミラノで研鑽を積む彼女は年末にはBunkamuraの《こうもり》出演、年明けには初の東京リサイタルも控えており楽しみだ。

文:東端哲也

(ぶらあぼ2026年10月号より)

【information】
CD『武満徹のうた/熊木夕茉&山田和樹』

武満徹:めぐり逢い、さようなら、翼、昨日のしみ、見えないこども、恋のかくれんぼ、素晴らしい悪女、島へ、明日ハ晴レカナ 曇リカナ、小さな空、雪、小さな部屋で、ワルツ、死んだ男の残したものは、うたうだけ、〇と△の歌

熊木夕茉(ソプラノ)
山田和樹(ピアノ)
水谷晃(ヴァイオリン)

収録:2026年3月、王子ホール(ライブ)
日本コロムビア
COCQ-85658 ¥3500(税込)