【CD】反田恭平&Japan National Orchestra コンチェルトシリーズ Vol.1

反田恭平が主宰するJNOの2023年東京公演から、協奏曲2作のライブ録音。反田の弾き振りでのモーツァルト第15番は、実はオーケストラがかなりの難曲と思われるが、自然な流れで美しく仕上がり、軽みのある粒達のよいピアノが心地よく絡む。ソロもアンサンブルの一員という感覚で、細部まで作り込んでいるのもよく伝わる。内外のコンクール優勝で注目のチェリスト水野優也の弾く「ロココ変奏曲」は、すでに巨匠の風格すらある見事な名奏。両曲とも息の音も聞こえる臨場感ある録音。入場時の拍手も収録されているのは珍しく、会場のムードを最大限に伝える。

文:林 昌英

(ぶらあぼ2026年9月号より)

【information】
CD『反田恭平&Japan National Orchestra コンチェルトシリーズ Vol.1』

モーツァルト:ピアノ協奏曲第15番/チャイコフスキー:ロココの主題による変奏曲

反田恭平(指揮/ピアノ)
水野優也(チェロ)
Japan National Orchestra

収録:2023年8月、東京芸術劇場 コンサートホール(ライブ)
JNO
JNO-0002 ¥2200(税込)


林 昌英 Masahide Hayashi

出版社勤務を経て、音楽誌制作と執筆に携わり、現在はフリーライターとして活動。「ぶらあぼ」等の音楽誌、Webメディア、コンサートプログラム等に記事を寄稿。オーケストラと室内楽(主に弦楽四重奏)を中心に執筆・取材を重ねる。40代で桐朋学園大学カレッジ・ディプロマ・コース音楽学専攻に学び、2020年修了、研究テーマはショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲。アマチュア弦楽器奏者として、ショスタコーヴィチの交響曲と弦楽四重奏曲の両全曲演奏を達成。