英国16〜17世紀のヴァイオル(ヴィオラ・ダ・ガンバ)コンソートは18〜20世紀の弦楽四重奏に匹敵するレパートリーの宝庫で、名だたる作曲家の名曲が無数にある。プリズム・コンソート・オブ・ヴァイオルズは当盤でウィリアム・バードの3声のコンソート音楽に的を絞った。最初から器楽曲として書かれたのはファンタジア3曲のみだが、当時は声楽曲もコンソートで演奏されたので、「グラドゥアリア」収録曲や3声のミサ曲等、多くの宗教声楽曲が取り上げられている。3声の曲は見通しよく、3つのヴァイオルの会話のようなやりとりと、重なり生み出す玄妙な響きに時を忘れて聴き入ってしまう。
文:矢澤孝樹
(ぶらあぼ2026年9月号より)
【information】
CD『ウィリアム・バード:3声のコンソート集/プリズム・コンソート・オブ・ヴァイオルズ』
ウィリアム・バード:3声のファンタジア、グラドゥアリア 第1巻より、アレルヤ 主に感謝せよ、3声の讃歌「天使は優雅なる言葉にて」、3声のミサ
プリズム・コンソート・オブ・ヴァイオルズ
【櫻井茂 折口未桜 清水愛架(以上ヴァイオル)】
コジマ録音
ALM-1233 ¥3300(税込)

矢澤孝樹 Takaki Yazawa
1969年山梨県塩山市(現・甲州市)生。慶應義塾大学文学部卒。水戸芸術館音楽部門主任学芸員を経て現在ニューロン製菓(株)及び(株)アンデ代表取締役社長。並行して音楽評論活動を行い、『レコード芸術online』『音楽の友』『モーストリークラシック』『ぶらあぼ』『CDジャーナル』にレギュラー執筆。朝日新聞クラシックCD評選者および執筆者。CD及び演奏会解説多数。著書に『マタイ受難曲』(音楽之友社)。ほか共著多数。


