名匠パブロ・エラス=カサドが東響に初登場!

パブロ・エラス=カサド ©Javier Salas

 スペイン出身の名指揮者パブロ・エラス=カサドが東京交響楽団と初共演を果たす。エラス=カサドといえば、すでにベルリン・フィルやウィーン・フィルとも共演する実力者。オペラの分野でも活躍し、2028年のバイロイト音楽祭ではワーグナーの《ニーベルングの指環》を指揮することが発表されている。一方で、ピリオド・オーケストラと共演を重ねるなど、古楽にも積極的だ。加えて、現代音楽の分野ではサントリーホールのサマーフェスティバルでシュトックハウゼンの「グルッペン」を指揮するなど、実績は豊富。現代の指揮者にはレパートリーの広い人が多いとはいえ、ここまで音楽的な視野が広く、旺盛な探求心を持った指揮者はまれだろう。

 そんなエラス=カサドが東響との共演にあたって用意したのは、シューベルトの交響曲第7番「未完成」とブルックナーの交響曲第6番。オーストリアのロマン派の系譜をたどる正統派のプログラムだ。すでにエラス=カサドは「未完成」をフライブルク・バロック・オーケストラと録音している。さらにブルックナーについても、曲は異なるものの交響曲第4番「ロマンティック」を、やはりピリオド・オーケストラのアニマ・エテルナと録音している。作曲当時の楽器や演奏法を実践したうえで、モダン・オーケストラとどう向き合うのかが興味深いところ。刺激的な演奏を期待できそうだ。

文:飯尾洋一

(ぶらあぼ2026年3月号より)

パブロ・エラス=カサド(指揮) 東京交響楽団 第739回 定期演奏会 
2026.4/26(日)14:00 サントリーホール
問:TOKYO SYMPHONY チケットセンター044-520-1511 
https://tokyosymphony.jp

他公演 
2026.4/25(土) ミューザ川崎シンフォニーホール(044-520-0200)


飯尾洋一 Yoichi Iio

音楽ジャーナリスト。著書に『クラシックBOOK この一冊で読んで聴いて10倍楽しめる!』新装版(三笠書房)、『クラシック音楽のトリセツ』(SB新書)、『マンガで教養 やさしいクラシック』監修(朝日新聞出版)他。音楽誌やプログラムノートに寄稿するほか、テレビ朝日「題名のない音楽会」音楽アドバイザーなど、放送の分野でも活動する。ブログ発信中 https://www.classicajapan.com/wn/