ガルガンチュア音楽祭 2026
祝10年!人気10大作曲家がGWの金沢を彩る

 今年もゴールデンウィークの金沢を舞台にガルガンチュア音楽祭が開催される。国内外のトップアーティストたちが集い、人気10大作曲家を中心としたバラエティに富んだプログラムを披露する。本格派からファミリー向けまで、だれもが楽しめる音楽祭だ。

文:飯尾洋一

オーケストラ・アンサンブル金沢

 ガルガンチュア音楽祭の2026年のテーマは「あなたが選ぶ10大作曲家〜北陸・金沢10年の音楽旅路〜」。アンケートにより選ばれた人気の作曲家10人を軸としたプログラムが組まれた。その10人とはベートーヴェン、モーツァルト、チャイコフスキー、バッハ、ショパン、ブラームス、ドヴォルザーク、ラフマニノフ、ラヴェル、サン=サーンス。クラシック音楽の核心ともいうべき大作曲家たちが並ぶ。地元オーケストラ・アンサンブル金沢(以下OEK)に加えて、ミュンヘン・ゲルトナープラッツ州立劇場管弦楽団、東京フィルハーモニー交響楽団が参加するほか、ギドン・クレーメル、服部百音、阪田知樹、児玉隼人らソリスト陣も華やかだ。

ギドン・クレーメル トリオ

 まず注目したいのは、ヴァイオリン界におけるレジェンド、ギドン・クレーメル。ミヒャエル・バルケ指揮ミュンヘン・ゲルトナープラッツ州立劇場管との共演で、バーンスタインの「セレナード」のソロを務める[C43]。かつて作曲者の指揮で同曲を演奏したクレーメルだけに、貴重な機会だ。クレーメルはチェロのギードレ・ディルヴァナウスカイテ、ピアノのゲオルギス・オソキンスとの共演でギドン・クレーメル・トリオとしても出演する[H34]。ペルトの「モーツァルト・アダージョ」とベートーヴェンのピアノ三重奏曲第7番「大公」という現代作品と古典の組合せで本領を発揮する。

服部百音

 服部百音はバルケ指揮ミュンヘン・ゲルトナープラッツ州立劇場管とともにブラームスのヴァイオリン協奏曲を演奏する[C33]。歴史のあるドイツのオーケストラとの化学反応に注目したい。リサイタルではラヴェルの「ツィガーヌ」やプーランクのヴァイオリン・ソナタといったフランス音楽中心のプログラムを披露する[A43、完売]。

アリスト・シャム

 2025年ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールの覇者アリスト・シャムは、2024年東京国際指揮者コンクール優勝のコルニリオス・ミハイリディス指揮OEKとの共演で、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」に挑む[C52]。古典中の古典だけに、奏者の音楽観がよくあらわれるはず。さらにリサイタルではラヴェルの「夜のガスパール」ほかをとりあげる[A33]。こちらはテクニシャンぶりが発揮されそうだ。

左より:阪田知樹/ミヒャエル・バルケ/
ミュンヘン・ゲルトナープラッツ州立劇場管弦楽団 ©Christine Schneider

 日本の若い世代を代表するヴィルトゥオーゾ、阪田知樹も協奏曲とリサイタルで活躍する。バルケ指揮ミュンヘン・ゲルトナープラッツ州立劇場管とはラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を共演[C53]。華麗なピアニズムを堪能させてくれることだろう。リサイタルでは得意のリストに焦点を当て「ラ・カンパネッラ」「リゴレット・パラフレーズ」「2つの伝説」を演奏する[A42、完売]。

児玉隼人 ©Yuji Ueno

 現在大ブレイク中のトランペット奏者、児玉隼人の出演も注目を集めるだろう。ドイツのカールスルーエで研鑽を積む驚異の新星だ。トランペット奏者には欠かせないレパートリー、ハイドンのトランペット協奏曲を広上淳一指揮OEKと共演する[H42]。リサイタルではフローラン・シュミットの組曲とフランセのソナチネを並べる[A32]。

左:キハラ良尚
右:小泉詠子

 モーツァルトの「レクエイム」(バイヤー版)では、キハラ良尚指揮OEKがガルガンチュア音楽祭合唱団と共演する[C34]。同合唱団は100名を超える市民参加者により構成される。独唱陣はメゾソプラノの小泉詠子とミュンヘン・ゲルトナープラッツ州立劇場管付き歌手3名。ここでしか聴けない一期一会の出会いが実現する。

石丸由佳

 ミハイリディス指揮東京フィルによるサン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」では、石川県立音楽堂が誇るオルガンに注目したい[C42]。ベルリン・フィルハーモニーのオルガンも手がけたカール・シュッケ社製のオルガンだ。昨秋からのオーバーホールを終えて、この日がお披露目公演となる。奏者は石丸由佳。万全のキャストで壮麗なクライマックスを築く。

(ぶらあぼ2026年5月号より)     

ガルガンチュア音楽祭2026
「あなたが選ぶ10大作曲家〜北陸・金沢10年の音楽旅路〜」
会期:2026.4/28(火)〜5/5(火・祝) [メイン公演]5/3(日・祝)〜5/5(火・祝)
会場:石川県立音楽堂、金沢市アートホール、北國新聞赤羽ホール、北陸エリア(福井・石川・富山)
問:音楽祭チケットカウンター076-232-8118
https://www.gargan.jp

※本文内の[ ]は公演番号です。各公演の詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。


飯尾洋一 Yoichi Iio

音楽ジャーナリスト。著書に『クラシックBOOK この一冊で読んで聴いて10倍楽しめる!』新装版(三笠書房)、『クラシック音楽のトリセツ』(SB新書)、『マンガで教養 やさしいクラシック』監修(朝日新聞出版)他。音楽誌やプログラムノートに寄稿するほか、テレビ朝日「題名のない音楽会」音楽アドバイザーなど、放送の分野でも活動する。ブログ発信中 https://www.classicajapan.com/wn/