
右:荒井英治 ©大窪道治
常任指揮者・高関健と共に進化を続ける東京シティ・フィル。コンビ12年目のシーズンは、協奏曲2曲中心の大胆なプログラムでスタートする。それは生誕120年を記念したショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番&第2番。共に大家オイストラフに捧げられた難曲だが、人気の高い1番に比べて2番(1番以上にシリアスながらも終楽章等は明快)の生演奏は俄然少ないし、ましてや2曲を続けて聴く機会など極めて稀だ。独奏者が大変な当プロが可能なのは、ソロを弾く同楽団の特別客演コンサートマスター、荒井英治の存在にある。荒井は、東京フィルのコンサートマスターを長く務めた後、東京音大教授やソリスト、複数の楽団の客演コンサートマスターとして活躍中の名手。東京シティ・フィルでも、23年9月に高関の指揮で超難曲リゲティのヴァイオリン協奏曲を弾いて賞賛を博している。
荒井は東京フィル時代に、作曲者本人をよく知り、弦楽四重奏曲の室内交響曲版作成でも名高いバルシャイから直接教えを受けながら、その指揮でショスタコーヴィチの協奏曲第1番を演奏。主宰するモルゴーア・クァルテットでも弦楽四重奏曲全15曲を完奏して絶賛を浴びている。ここはそうした実績と協奏曲名人・高関とのコラボが相まって絶大な成果が期待される。
なお2曲の間には、没後30年を迎えた武満徹の「ア・ウェイ・ア・ローンⅡ」が披露される。弦楽四重奏曲を拡大させた同曲では、高関一流の精緻な彫琢が新鮮な感銘を与えてくれるに違いない(むろんショスタコーヴィチもそう)。今回はその意味でも大注目の公演だ。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2026年2月号より)
高関 健(指揮) 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 第384回 定期演奏会
2026.7/16(木)19:00 東京オペラシティ コンサートホール
2026.3/11(水)発売
問:東京シティ・フィルチケットサービス03-5624-4002
https://www.cityphil.jp


