リサイタルやコンサート活動、ロシア・ピアニズムの基礎を伝える教材シリーズやその指導で実績を積むピアニスト・古畑由美子。本作『In Affection』は、恩師たちへの敬愛を込めたファーストアルバムだ。声部の濃淡と舞曲様式をエレガントかつ明快に伝えるバッハのパルティータ第1番、柔らかな音質で音の綾を緻密に描くドビュッシーのアラベスクや前奏曲、多彩な音色と間合いで郷愁を誘うショパンのワルツやバラード、そして短いながらも余韻を残すリャードフの「オルゴール」が丁寧に綴られていく。誠実で詩情に満ちた音楽に包まれる一枚だ。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2026年2月号より)
【information】
CD『In Affection/古畑由美子』
J.S.バッハ:パルティータ第1番/ドビュッシー:2つのアラベスク、前奏曲集第2巻より/ショパン:ワルツ第7番、バラード第2番/リャードフ:オルゴール
古畑由美子(ピアノ)
コジマ録音
ALM-7322 ¥3300(税込)

飯田有抄 Arisa Iida(クラシック音楽ファシリテーター)
音楽専門誌、書籍、楽譜、CD、コンサートプログラム、ウェブマガジン等に執筆、市民講座講師、音楽イベントの司会等に従事する。著書に「ブルクミュラー25の不思議〜なぜこんなにも愛されるのか」「クラシック音楽への招待 子どものための50のとびら」(音楽之友社)等がある。公益財団法人福田靖子賞基金理事。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了。Macquarie University(シドニー)通訳翻訳修士課程修了。


