清らかな歌声と、豊麗なオルガンが響きあう夜——日経ホールで巡る「世界のクリスマス」

各地のキャロルから人気のオペラ・アリア、オルガン・ソロまで盛りだくさん!

左より:コロンえりか/ヴェセリン・ストイコフ/山口綾規

 日経ホールではこの季節に相応しい、荘厳なオルガン伴奏による聖なる歌声の夕べを12月に開催。ブルガリア出身のバスバリトン、ヴェセリン・ストイコフは欧州の名門歌劇場で活躍し、2007年から2010年にはアンナ・トモワ=シントウやヴェッセリーナ・カサロヴァといった名歌手の出身地である古都スタラ・ザゴラの国立歌劇場で総支配人兼芸術監督も務めた俊英だ。一方のコロンえりかはベネズエラ生まれで、英国王立音楽院にて研鑽を積み、ロンドンの名門ウィグモアホールのステージにも立った注目のソプラノ。日本では「分断が進むこの世界で人々の心をつなぐ架け橋になりたい」との願いを込めて『BRIDGE』と名付けられたアルバムでCDデビューしていることでも知られる。

 そんな二人だけに「世界のクリスマスを巡る」がテーマの今回のプログラムでは、欧州の定番曲から南米まで多彩な“キャロル”を聴かせてくれるはずだ。加えてヘンデルの歌劇《リナルド》やモーツァルトの歌劇《フィガロの結婚》から人気のアリアなども披露されるので、こちらもぜひお楽しみに。パイプオルガンの音色を電子技術で再現するクラシックオルガンを担当するのは、ジャンルの垣根を超えたレパートリーに定評があり、各地で新たなファンを増やしているというカリスマ奏者の山口綾規。荘厳な響きと歌声による魅惑のハーモニーにも大いに期待したいが、やはりバッハなどによる“王道”のオルガン名曲の独奏も聴き逃せない!

文:東端哲也

第565回日経ミューズサロン 世界のクリスマスキャロル
2025.12/17(水)18:30 日経ホール


♪出演
コロンえりか(ソプラノ)
ヴェセリン・ストイコフ(バスバリトン)
山口綾規(クラシックオルガン)

♪曲目
世界のクリスマス
 フランク:天使の糧
 ベネズエラのキャロル
 ドイツのキャロル(もみの木/きよしこの夜)
オペラ名曲
 ヘンデル:歌劇《リナルド》より〈私を泣かせてください〉
 モーツァルト:歌劇《フィガロの結婚》より〈もう飛ぶまいぞこの蝶々〉
オルガン・ソロ
 バッハ:トッカータとフーガ ニ短調 BWV565
 ヴィエルヌ:ウエストミンスターの鐘
ほか

問:日経公演事務局03-5227-4227
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