新時代の到来を告げる意欲的なプログラム
今年の4月11日、新常任指揮者となった高関健が登場し、記念すべき創立40周年のシーズンをスタートさせた東京シティ・フィルハーニモック管弦楽団。スメタナの「わが祖国」全曲という意欲的なプログラムを、生命感にあふれた音楽絵巻として演奏し、新時代の到来を聴衆へ宣言した。
その高関健は、計13回ある年間の定期演奏会(東京オペラシティおよびティアラこうとう)のうち6回を指揮するが、そのうちの2回が早くも6月に。東京オペラシティにおける第290回定期では、高関時代の安定化と真価を問うようなプログラムが用意されている。弦楽合奏でありながら鋭い切れ味と重厚感が心を打つオネゲルの交響曲第2番から始まり、竹山愛をソリストに迎えるニールセンのモダンなフルート協奏曲(作曲者生誕150年の記念に)、そして高関だからこそスコアの鋭い読み込みに期待したいベートーヴェンの交響曲第5番へ。
一方のティアラこうとうで行われる第41回定期演奏会では、ドイツ・ロマン派の語法とオーケストラの相性が試されるシューマンの交響曲第1番「春」、そして管楽器のソロイスティックなパッセージが頻出するリムスキー=コルサコフの「シェヘラザード」を。どちらも聴きどころが多数あり、高関のアプローチ、そしてシティ・フィルのダイナミズムと躍動感に期待できるプログラムだろう。シティ・フィルもしばらく聴いていないな…という方こそ、ぜひリフレッシュしたこのオーケストラを体験しにホールへ。
文:オヤマダアツシ
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年6月号から)
第290回 定期演奏会
6/5(金)19:00 東京オペラシティ コンサートホール
第41回 ティアラこうとう定期演奏会
6/20(土)14:00 ティアラこうとう
問:東京シティ・フィルチケットサービス03-5624-4002
http://www.cityphil.jp