テーマは『伝説・伝承＝LEGENDS』、 時を経ても大切な価値は変わらない
文：編集部
週末に2公演行われる定期演奏会は、完売が続出。カーテンコールが終わっても鳴り止まない拍手…。
東北地方の人口24万人の都市を舞台に、目の醒めるような快進撃をみせている山形交響楽団。その注目すべきオーケストラの来シーズンラインナップを紹介したい。
常任指揮者を務める阪哲朗は、4月から始まる新シーズンで、7年目を迎える。山響の顔として十二分に定着しただけでなく、山響のイメージに“オペラ”という新たな彩りを加えている。それを象徴する4回目となる演奏会形式オペラシリーズももちろんラインナップされた。演目は《蝶々夫人》で、森谷真理、宮里直樹、大西宇宙という日本を代表する歌手たちを迎え、2026年1月にやまぎん県民ホールで行われる。そして定期演奏会には2回登場。最初の出演となる4月は、ベルリオーズの序曲「リア王」、ヴァイオリン首席奏者の堀越瑞生がソロを務めるブルッフの協奏曲、メンデルスゾーンの「夏の夜の夢」というプログラムでオープニングを飾る。9月には、人気ピアニストの小林愛実を迎えラヴェルのピアノ協奏曲とシューベルトの交響曲第8番「ザ・グレート」を披露する。また山響委嘱新作で世界初演となる小田実結子の作品にも注目だ。
6月にはフィンランドの世界的巨匠オッコ・カムが来日。山響が得意とし伝統とも言えるモーツァルトとシベリウスを取り上げる。また、東京と大阪で行われる人気企画「さくらんぼコンサート」でもオール・シベリウス・プログラムを披露する。
11月には、ミュージック・パートナーのラデク・バボラークが、気心知れる母国チェコの音楽家を中心としたバボラーク・アンサンブルと登場。モーツァルト、ハイドンの協奏曲、ブラームスの交響曲第4番というプログラムで、指揮だけでなくホルン・ソロも演奏する。
首席客演指揮者の鈴木秀美は26年2月に登場、オール・モーツァルトで臨む。兼ねてから古楽器を用いる演奏の評価が高い山響との「レクイエム」（レヴィン版）は大注目の公演となる。合唱を担当する山響アマデウスコアはここでも活躍。声楽作品を重視する山響の姿勢が窺われる。
定期演奏会には、他にも8月の沼尻竜典、10月の原田慶太楼、26年3月には大植英次と、日本を代表する指揮者が次々と登場する豪華なラインナップとなっている。
また県内の地域活性化を図るユアタウンコンサートでは、5月に村山市で開催される公演に、御年92歳、創立名誉指揮者の村川千秋が阪哲朗とともに出演。故郷の地で十八番のシベリウスを振る。26年1月の南陽公演では、桂冠指揮者の飯森範親が登壇、J.シュトラウスⅡ世を中心としたプログラムでニューイヤーを彩る。
25年9月の特別演奏会は、20年から4回にわたり行われてきた仙台フィルとの合同公演となる。プロジェクトは終了したが、ファンから寄せられた熱い要望に応えての復活。今後は、山形と仙台で交互に開催していくという。
新シーズンに向け、阪哲朗は次のように語る。
「東京・大阪でのさくらんぼコンサートや仙台フィルとの合同演奏などで生まれる都市間の交流、バボラーク氏を軸とする国際交流、そしてオペラ文化を山形に根付かせるための地域の団体・学校との緊密な連携…人と人を音楽で繋ぐ山形交響楽団を中心に、また新しい物語が生まれ続けるだろう」
山形交響楽団 2025-26シーズンラインナップ 詳細はこちら↓
https://www.yamakyo.or.jp/information/news/20241123.html
やまぎん県民ホールシリーズ2024 Vol.4 演奏会形式オペラシリーズIII
プッチーニ：歌劇《トスカ》
2025.2/2（日）15：00 やまぎん県民ホール
出演
阪哲朗（指揮）、森谷真理（トスカ）、宮里直樹（カヴァラドッシ）、黒田博（スカルピア） 他
第322回 定期演奏会
2025.2/22（土）19：00、2/23（日・祝）15：00 山形テルサホール
出演
準・メルクル（指揮）
曲目
メンデルスゾーン：交響曲第5番 ニ長調「宗教改革」op.107
レスピーギ：組曲「鳥」
ストラヴィンスキー：バレエ音楽 「火の鳥」 組曲（1919年版）
第323回 定期演奏会
2025.3/15（土）19：00、3/16（日）15：00 山形テルサホール
出演
鈴木秀美（指揮）
仲道郁代（ピアノ）
曲目
ベートーヴェン：バレエ音楽「プロメテウスの創造物」op.43より序曲、第3曲、第15曲、第16曲
ベートーヴェン：ピアノ協奏曲第4番 ト長調 op.58
シューベルト：交響曲第6番 ハ長調 D.589
問：山響チケットサービス023-616-6607
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