11月16日深夜(日本時間)、スペインのタラゴナ、アル・バンドレイで開催されたパブロ・カザルス国際賞(Pablo Casals International Award)で、北村陽が第1位を受賞した(ドイツのアルネ・ツェラーも第1位を受賞)。
パブロ・カザルス国際賞は、20世紀を代表するチェリストであるパブロ・カザルスとその妻マルタ・カザルスによって設立された「パブロ・カザルス財団」により、1984年に創設。後に国際コンクールとなり、2年に1度開催されている。受賞者には賞金のほか財団の主催するコンサートへ出演する機会が与えられる。
ファイナルで北村はバッハの無伴奏チェロ組曲第3番よりプレリュード、サラバンド、ジーグとチャイコフスキーの「ロココの主題による変奏曲」を演奏。審査にはチェリストのオフェリー・ガイヤール、石坂団十郎、マリー=エリザベス・ヘッカー、アルナウ・トマスらがあたった。
北村は2004年生まれ、兵庫県出身。現在、桐朋学園大学ソリスト・ディプロマ・コースに在籍、ベルリン芸術大学にてイェンス=ペーター・マインツに師事。22年のハチャトゥリアン国際コンクール第2位をはじめ、23年ヨハネス・ブラームス国際コンクール、日本音楽コンクールチェロ部門優勝、そして今年のジョルジュ・エネスク国際コンクール2024第1位に続く快挙となった。
受賞後の北村陽のコメント(ジャパン・アーツ フェイスブックより)
カザルスが生まれたカタルーニャの地で、このような賞をいただいたことを心から感謝いたします。故郷への愛と平和への願いを込めて生き抜いたカザルスを音楽家としてはもちろん、精神の自由を求め続けた一人の人間として心から尊敬しています。幼いころに祖父と毎日のように聴いた無伴奏チェロ組曲は、私の原点となっています。私は音楽で世界を平和にするという夢があります。その偉大なる精神に一歩でも近づけるよう、これからも精進していきたいと思います。
北村陽
【これからの公演情報】
●北村陽 チェロ・リサイタル 〈プラチナ・コンサート・シリーズ Vol.16〉
12/11(水)19:00 Hakuju Hall
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第4番 ハ長調 op.102-1
ブラームス:チェロ・ソナタ第2番 ヘ長調 op.99
ヤナーチェク:おとぎ話
ショスタコーヴィチ:チェロ・ソナタ ニ短調 op.40
大伏啓太(ピアノ)
●第30回 リクルートスカラシップコンサート【ライブ配信あり】
12/21(土)13:00 紀尾井ホール
シューマン:ピアノ四重奏曲 変ホ長調 op.47
MINAMI(ヴァイオリン)、田原綾子(ヴィオラ)、北村陽(チェロ)、谷昂登(ピアノ)
●ニューイヤーコンサート2025 名曲で綴る新春の贈りもの〈世代でつなぐ華麗なるチェロ協奏曲の世界/リリア休館中出張公演〉
2025.1/11(土)15:00 埼玉会館
チャイコフスキー:ロココ風の主題による変奏曲 イ長調 op.33
現田茂夫(指揮)東京交響楽団 北村陽(チェロ) 他
パブロ・カザルス国際賞
https://www.paucasals.org/en/