この10月に8度目の来日公演を果たすウィーン国立歌劇場の総裁ドミニク・マイヤーを囲んでの懇親会が5月1日に行われた。パリ・オペラ座の総監督やパリ・シャンゼリゼ劇場総支配人および芸術監督を歴任し、2010年9月からウィーン国立歌劇場総裁に就任したマイヤーが今秋の来日に向け次の通り語った。
「ウィーン国立歌劇場がほかの歌劇場と異なる点は、なによりも素晴らしいオーケストラを擁していることです。今回は《サロメ》《フィガロの結婚》《アンナ・ボレーナ》を披露しますが、とくにR.シュトラウスの《サロメ》は私たちのオーケストラ(ウィーン国立歌劇場管弦楽団)が最も得意とする演目で、どのシーズンでも必ずといっていいほど上演してきました。R.シュトラウスの音楽は“ウィーン人の血”となっていると言えると思います。主役のグン=ブリット・バークミンはまだ若い歌手ですが実力は世界的で、音楽総監督ウェルザー=メストが彼女の起用を熱望したのです」
また《アンナ・ボレーナ》について
「私のアイディアで昨年初演し成功しました。指揮のエヴェリーノ・ピドはベルカント・オペラのスペシャリストですのでご期待ください」と述べたあと、今回が主演の人気歌手エディタ・グルベローヴァにとって最後のオペラ来日公演となることを公表した。
このほか、ウィーン国立歌劇場で定期的に開かれている、青少年へのオペラの啓蒙を目的とした『子供のための《魔笛》』が、神奈川で行われることも報じられた。
ウィーン国立歌劇場 2012 日本公演オフィシャルサイト