世界的なトランペット奏者のモーリス・アンドレ氏が2月25日にフランス南西部バイヨンヌの病院で死去した。享年78。アンドレ氏は1933年、フランスのセヴァンヌ近郊アレス出身。最初は父親の友人からトランペットの指導をうけた。専門教育を受ける前は炭鉱で働いていた経歴があり、軍楽隊での演奏を経てパリ音楽院に入学。在学中から頭角を現し、教師を凌ぐほどの高い音楽性とテクニックを示したという。卒業後はフランス国立放送管弦楽団に入団。コンクール歴も華やかで、パリ国際コンクール、ジュネーヴ国際コンクール、ミュンヘン国際コンクールで優勝している。バロック音楽から現代音楽、さらには映画音楽までにおよぶ幅広いレパートリーを持ち、数多くの録音をリリース。73年以降、たびたび日本を訪れ、その超絶技巧で多くのファンを魅了した。