[小耳大耳]2011年度武満徹作曲賞の受賞者が決定

 より創造的な音楽文化を育むため、東京オペラシティ文化財団が世界の次代を担う若い世代に新しい音楽作品の創造を呼びかける「武満徹作曲賞」。13回目となる2011年度の審査員は現代イタリアを代表する作曲家、サルヴァトーレ・シャリーノ。1月20日(金)に山田和樹指揮・東京フィルハーモニー交響楽団により本選演奏会が行われ、下記のように受賞作品が発表された。

第1位 フローラン・モッチ=エティエンヌ(フランス): Flux et reflux
第2位 ベルント・リヒャルト・ドイチュ(オーストリア):subliminal
第3位 ヤン・エリク・ミカルセン(ノルウェー):Parts?
第4位 ヒーラ・キム(韓国):NAMOK

 シャリーノは「今回は私の作品と似ているとか、近代的な表現法を使っているといった基準ではなく、作曲家のアイデンティティが感じられるものを選択しました。本当の意味での創造性というものは、表現法や言語によるものではなく、アーティスト自身が確立したアイデンティティーの中にこそあり、伝統的な手法を通しても新たな観点を浮き彫りにすることは可能だと考えています」と評した。賞金として、第1位は120万円、第2位は80万円、第3位は60万円、第4位は40万円が各受賞者に授与される。
 次回、2012年度の「武満徹作曲賞」(審査員:細川俊夫)は、既に譜面審査結果が発表され、4名のファイナリストが選ばれている。5月に行われる本選演奏会で、演奏による最終審査が行われる。
「2012年度武満徹作曲賞本選演奏会」
★5月27日(日)15:00
 ・東京オペラシティコンサートホール
十束尚宏(指揮) 東京フィルハーモニー交響楽団
東京オペラシティ文化財団