第548回日経ミューズサロン 代替公演
谷川公子(ピアノ) ピアノとギターで綴る光と影

ビルディングの森に吹く音の風を聴きに

左:谷川公子
右:村治佳織 ©Saito Kiyotaka

 ピアニスト&コンポーザーの谷川公子(Koko)と日本のギター界を代表する村治佳織(Kaoli)が真夏の東京、ビジネスの中心街である大手町に爽やかな夜風を送り込む。ふたりは「Koko et Kaoli(ココ・エ・カオリ)」としても息の合ったデュオを披露してきたが、谷川のパートナーであり、筆者も敬愛するギタリスト・渡辺香津美が療養を余儀なくされ、もともとは谷川&渡辺の組み合わせで行われる予定だったコンサートに村治が参加することになった。

 谷川自身の作品である「ライト アンド シャドウ」に加え、昨年亡くなった坂本龍一の「戦場のメリークリスマス」、村治がアフリカ旅行での体験をもとに書いた「バガモヨ」、そしてブラジルを代表するアーティストのエグベルト・ジスモンチの「インファンシア」など、多彩な作品が用意されている。おそらくは暑気の残るビル街のホールで、ふたりが作り出す繊細な音に光と影のコントラストを聴き取るのは、極上の夏の楽しみとなる。
文:片桐卓也
(ぶらあぼ2024年7月号より)

2024.7/30(火)18:30 日経ホール
問:日経公演事務局03-5227-4227 
https://stage.exhn.jp