胸躍る演奏とトークで心身をリフレッシュ
東京フィルの「午後のコンサート」は、マエストロのトークとともにバラエティに富んだ名曲を楽しめる人気シリーズ。5月の公演では、栗田博文の指揮とトークにより「クラシック・ジュークボックス」と銘打った肩の凝らないプログラムが組まれた。ともに午後2時開演で、「平日の午後のコンサート」(東京オペラシティ)と、日曜日の「渋谷の午後のコンサート」(Bunkamura オーチャードホール)の2公演が開かれる。平日でも週末でも、ライフスタイルにあわせて都合のよいほうを選べるのがうれしい。
曲目は多彩だ。幕開けはアメリカ軽音楽の巨匠ルロイ・アンダーソンの「クラシカル・ジュークボックス」。どこかで聴いたメロディがいくつも引用される遊び心満載の小品だ。さらに「フィドル・ファドル」や「クラリネット・キャンディ」などの名曲も。映画音楽でおなじみジョン・ウィリアムズの作品からは映画『11人のカウボーイ』序曲が演奏される。アンソニー・ディロレンツォ作曲のトロンボーン協奏曲「リトル・カウボーイ」では、東京フィルのトロンボーン奏者、辻姫子がソロを披露する。これらの作品には吹奏楽を通じて親しんでいる方も少なくないだろう。アメリカの西部劇の世界をほうふつとさせる曲想が魅力。
そしてガーシュウィンの名曲「ラプソディー・イン・ブルー」では、次世代を担う逸材として注目を浴びるジャズ・ピアニスト、壷阪健登が登場する。フレッシュなガーシュウィンを楽しめそうだ。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ2024年4月号より)
第33回 平日の午後のコンサート
2024.5/15(水)14:00 東京オペラシティ コンサートホール
第21回 渋谷の午後のコンサート
5/19(日)14:00 Bunkamura オーチャードホール
3/19(火)発売
問:東京フィルチケットサービス03-5353-9522
https://www.tpo.or.jp