N響の2024-25シーズン(2024年9月~2025年6月)の出演者と曲目が発表された。プログラムは引き続き、NHKホールを会場とするAとC、サントリーホールで行われるBの3つ。Bプロは曜日が木曜と金曜に、Cプロは、従来の「休憩あり・2時間程度」(金曜は午後7時開演)の公演に変更になる。
首席指揮者のファビオ・ルイージは2022年9月に就任。それからおよそ1年という早さで3年間の任期延長が発表されている。昨年12月には記念すべき2000回定期(ファン投票によって選ばれたマーラー「一千人の交響曲」)も振り、人気もN響との関係も絶好調の様子。まずは9月の開幕公演を生誕200年のブルックナー交響曲第8番で飾る。そして2025年5月、オランダのアムステルダム・コンセルトヘボウで開催されるマーラー・フェスティバル出演へ向け、マーラーの交響曲3番、4番を披露する。
昨年、残念ながら来日が叶わなったブロムシュテット(桂冠名誉指揮者)、フェドセーエフ、レジェンド2人の名前も並ぶ。巨匠中の巨匠と呼べるこの2人でしか見られない世界を体感したい。そして前首席指揮者のパーヴォ・ヤルヴィ(名誉指揮者)も健在。昨年のウィーン・フィル日本公演でも登場したトゥガン・ソヒエフが挑むのはショスタコーヴィチの交響曲第7番「レニングラード」。さまざまな思いが交錯する演奏となるだろう。
コロンビアに生まれベルリン・フィルやウィーン・フィルをはじめ世界各地で活躍中のアンドレス・オロスコ・エストラーダ、ヨーロッパの名門オーケストラにもしばしば登場し、若き巨匠との呼び声も高いチェコのペトル・ポペルカらがN響にデビューする。またこちらも欧州の名門歌劇場で活躍目覚ましい女性若手指揮者ギエドレ・シュレキーテはR. シュトラウスを披露。
そして大注目は、2000年フィンランド生まれのタルモ・ペルトコスキ。この若さにしてドイツ・グラモフォンと契約し、複数のオーケストラでポストを務める破格の新星がどのようなサウンドを披露するのか。
正指揮者で昨年の第九公演にも登場した下野竜也、バーミンガム市響など海外オーケストラでもポストを務める山田和樹ら日本人指揮者にも期待だ。
続いてソリスト。ピアノではエレーヌ・グリモー、ネルソン・ゲルナー、フランチェスコ・ピエモンテージ、ヴァイオリンは諏訪内晶子、フルートのカール・ハインツ・シュッツ、ホルンのラデク・バボラーク、ソプラノのクリスティアーネ・カルクなど綺羅星の如き世界の一流奏者が名を連ねる。日本人若手では藤田真央、三浦文彰らが登場。
そして目を引くのは郷古廉(vn)、辻本玲(vc)、伊藤圭(cl)らソリストとしても活躍するN響の奏者たち。普段から共に演奏するオーケストラのメンバーとの息の合った音楽創りが楽しみだ。
文:編集部
NHK交響楽団
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