【SACD】ハイドン:交響曲集 Vol.22/飯森範親&日本センチュリー響

 飯森&日本センチュリー響のハイドン交響曲全曲演奏プロジェクトの22作目。これで71の交響曲が出揃ったことになる。今回の67、68、11番は、単独で聴く機会などまずない作品。だが、こうした形で接すると、各曲の妙味を端的に知ることができる。3曲とも優美でチャーミングな音楽だし、67番ではトリオやデュオといった室内楽的な場面の挿入、68番ではファゴットの独立した使用法等の創意工夫が、新鮮な驚きと喜びをもたらす。公演を重ねているだけに、演奏自体も安定感十分で堂に入ったもの。生気に富んだ溌剌たる表現で、万人を楽しませてくれる。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2024年1月号より)

【information】
SACD『ハイドン:交響曲集 Vol.22/飯森範親&日本センチュリー響』

ハイドン:交響曲第67番、同第68番、同第11番

飯森範親(指揮)
日本センチュリー交響楽団

収録:2022年5月&12月、ザ・シンフォニーホール(ライブ)
オクタヴィア・レコード
OVCL-00834 ¥3850(税込)