プロジェクトQ[第15章] ハイドン弦楽四重奏曲演奏会

若きクァルテットが挑むハイドン芸術の精髄


 若いクァルテットの発掘と育成を目的として毎年開催されている「プロジェクトQ」。各団体が約半年間1つの作品に取り組み、世界的名奏者による「公開マスタークラス」、本番会場で全曲を演奏する「トライアル・コンサート」、それらの成果を披露する「本公演」と、3つのプログラムが行われる。15回目を迎えた今年度は「弦楽四重奏の父」ハイドンの名作群から選ばれた6曲を6団体が担当し、その「本公演」が2月に開催される。
 昼の部は、まず、モーツァルトに多大な影響を与えた重要な曲集「ロシア四重奏曲」より2曲。桐朋学園在学生による「ベナード弦楽四重奏団」がop.33-2「冗談」(第38番)を、東京藝大同期メンバーによる「クァルテット・ラピスラズリ」がop.33-6(第42番)を披露する。続いて、本プロジェクトに4回連続参加となる「クラルス弦楽四重奏団」が、有名なop.64-5「ひばり」(第67番)に挑む。
 夜の部は、14年の結成後ザルツブルクや名古屋でのコンクール上位入賞を果たし、リサイタルも開催している「タレイア・クァルテット」が、作曲者充実期のop.71-2(第70番)を演奏。そして、ハイドンの四重奏作品の結実を示す名品集「エルデーディ四重奏曲」より2曲が取り上げられる。東京音大や東京藝大ほかの学生による「チェルカトーレ弦楽四重奏団」が随一の深みをもつop.76-1(第75番)に、17年小澤国際室内楽アカデミー奥志賀で結成された「ヴォーグ・クァルテット」が人気の代表作op.76-3「皇帝」(第77番)に挑戦する。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2018年3月号より)

ハイドン弦楽四重奏曲演奏会
2018.2/24(土)【1】13:00 【2】18:00
上野学園 石橋メモリアルホール
問:プロジェクトQ実行委員会(テレビマンユニオン内)03-6418-8617 
http://www.tvumd.com/